湯浅博の世界読解

試される中国型「全体主義」

中国・武漢に向け出発準備をする日本政府のチャーター機。関係者が乗り込んだ=2月6日午後、羽田空港(古厩正樹撮影)
中国・武漢に向け出発準備をする日本政府のチャーター機。関係者が乗り込んだ=2月6日午後、羽田空港(古厩正樹撮影)

 新型コロナウイルスとの闘いは、中国型の全体主義モデルが21世紀の世界に有効か否かが試されることになった。恐ろしい感染症の汚染源を封じ込め、拡散を制御し、国際社会に結束を求める技と度量が問われている。

 「感染症は悪魔であり、われわれは悪魔が隠れるのを許さない」

 中国の習近平国家主席が1月28日に北京で世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に語った決意のくだりには、多くが同意したに違いない。続いて習氏が、自国を発生源にしてしまった大国の指導者として、国際社会に謝罪したうえで、協力と結束を呼び掛けるものと思われた。

 なぜなら、WHO事務局長は世界を代表して出向いたのであって、中国から経済援助を受けるエチオピアの元外相としてではないからだ。ところが、習氏の言葉はそれを裏切るものだった。「WHOと国際社会の客観的で公正、冷静、理性的な評価を信じる」と力説して、WHOに緊急事態宣言を出さないよう促すものでしかなかった。

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