中国全人代、新型肺炎で開催危ぶむ声強まる

 【北京=西見由章】新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国で、来月5日に予定される全国人民代表大会(全人代=国会)の開幕を危ぶむ声が強まっている。全人代が開かれる北京では、春節(旧正月)後に地方から戻る人の動きで「感染蔓延(まんえん)の危険が激増する」(習近平国家主席)として厳戒態勢が続く。全人代前に開かれる地方レベルの議会も延期が相次ぎ、開催の目途は立たない。

 「湖北省と武漢市の感染状況は依然として非常に厳しい。より果断な措置をとらねばならない」

 習氏は10日、新型肺炎の患者が入院する北京の地壇病院をマスク姿で視察。感染拡大が深刻な湖北省武漢市に派遣した共産党の指導グループにも、テレビ会議でハッパをかけた。