中東見聞録

トランプ氏の中東和平案が「絵に描いた餅」なワケ 

6日、ヨルダン川西岸ヘブロンで、トランプ米政権の新中東和平案に抗議するパレスチナ人の若者ら(ロイター)
6日、ヨルダン川西岸ヘブロンで、トランプ米政権の新中東和平案に抗議するパレスチナ人の若者ら(ロイター)

 トランプ米政権が1月28日、イスラエルとパレスチナの新たな和平案を公表した。イスラエルが圧倒的優位に立つ現実を反映した内容に、パレスチナ自治政府はさっそく交渉を拒否した。そもそも同案は、パレスチナ国家樹立に向けた提案だとしながら、パレスチナ側にほぼ不可能と思われる前提条件を課しており、実現性には大きな疑問符がついている。(前中東支局長 大内清)

パレスチナにとっては「詭弁(きべん)」

 新和平案でまず目を引くのは、「東エルサレム」の地位に関してだ。過去の和平交渉では、東エルサレムをどう扱うかが最大の難題だといわれてきた。

 よく知られている通り、東エルサレムの旧市街にはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地がある。イスラエルは1967年の第3次中東戦争でここを占領し、その後、もともとの領土である西側部分と合わせたエルサレム全域を「不可分の首都」だと宣言した。これに対してパレスチナは、東エルサレムを「将来の首都」にすると主張している。

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