久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

亡命した韓国で出馬した北朝鮮外交官 文政権の対北政策を批判

19日、ソウル市内で記者会見する北朝鮮・元駐英公使の太永浩氏(共同)
19日、ソウル市内で記者会見する北朝鮮・元駐英公使の太永浩氏(共同)

 北朝鮮から韓国に亡命した外交官としては最高位の元英公使、太永浩(テ・ヨンホ)氏(57)が、4月の韓国総選挙に保守系の最大野党から立候補した。小選挙区から出馬する北朝鮮出身者は史上初だ。そのうえ投票日の4月15日は北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の誕生日(太陽節)にあたる。太氏は北朝鮮から「人間のクズ」と激しく批判され、暗殺リストの「ナンバー1」ともいわれるが、太氏は「私は大韓民国を信じている」と語っている。太氏の当落は、北朝鮮エリート層の心を揺さぶる“事件”になりそうだ。

文在寅政権は冷や冷や?

 太永浩氏は金正恩(キム・ジョンウン)体制に対する歯に衣着せぬ批判で知られる。米韓のメディアに「金正恩政権は20年以上は持続できないと確信している。10年は短いが20年内に崩壊する。外部の情報流入が増え、非常に遅い(ペースでだ)が社会が変化しているからだ。人々はこれ以上、国家の詰め込むイデオロギーには関心を持たないだろう」などと語ってきた。

 その一方で、米国や韓国による非核化交渉には冷ややかで、「金正恩体制が目指しているのは核保有国の地位だ。彼らは絶対に核放棄しない」と述べている。文在寅(ムン・ジェイン)政権の対北政策については、「現在の対北政策と統一政策は間違った方向にいっている」と切り捨てる。

 そんな太氏が今月11日、最大野党「自由韓国党」(その後、他の野党と統合し現在は「未来統合党」)からの出馬を表明した。

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