久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

新興宗教の感染爆発、とまらぬ「セルコリア」 経済危機へ正念場の文在寅政権

25日、韓国・大邱で開かれた新型コロナウイルスの対策会議に出席する文在寅大統領(聯合=共同)
25日、韓国・大邱で開かれた新型コロナウイルスの対策会議に出席する文在寅大統領(聯合=共同)

 韓国の新型コロナウイルス感染者は新興宗教「新天地イエス教会」で感染爆発を起こし、文在寅(ムン・ジェイン)政権は世界に広がる「韓国恐怖症(コリアフォビア)」を警戒している。すでに2000人を上回った感染者の約8割は同教会の周辺地域で確認された。中国では訪中した韓国人の隔離が発生したほか、韓国人の入国制限をかけた国・地域は50を超えた。韓国株や通貨ウォンが売られる「セルコリア」で韓国経済も打撃を受けており、感染者もさらなる増加が必至で、文政権を窮地に追い込んでいる。

韓国の感染爆発はなぜ起きたのか

 韓国の最初の感染者は1月20日に確認され、2月中旬までは31人だったが、20日以降100人単位で急増、26日には1000人を突破した。急増の原因は感染源の新興宗教「新天地イエス教会」信者の診断が本格化したためで、感染の震源となった韓国南東部の大邱市にある「新天地」の大邱教会を中心に、現在の約2000人のうち1300人以上が大邱で発症または検査で陽性となっている。

 もうひとつの震源地が大邱の南部、慶尚北道清道(チョンド)にあるテナム病院とその周辺だ。ここは教祖兄弟の故郷で「新天地」の「聖地」とされている。1月末に教祖の兄が地元のテナム病院で死去し、病院内で葬式が行われ、信者が多数訪れて濃厚接触した。慶尚北道の感染者はすでに390人を超えている。大邱と慶尚北道の感染者で韓国全体の感染者の8割を占め、「新天地」での感染爆発がいかに大きいかが分かる。

 韓国は、キリスト教徒が仏教徒(23%)を超える28%と大勢を占めている。これは朝鮮戦争後の貧しい時代、庶民や底辺の人々に大衆化したとされる。このため韓国のキリスト教には現世利益や病気治癒が求められ、新興宗教的な宗派も少なくない。

 「新天地イエス教会」は伝統的キリスト教派から「異端」「カルト集団」とされている。教祖の李マンヒ総会長は自身を永生不死と唱え、新型コロナウイルスの感染も「悪魔が新天地をねたんだ仕業」などと信徒に述べていた。

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