劇場型半島

与党が批判コラムを刑事告発も…猛反発受け取り下げ 支持層に亀裂

韓国で新型肺炎が経済に打撃を与える中、ソウルの南大門市場を訪問した文在寅大統領(左)=2月12日(韓国大統領府提供・共同)
韓国で新型肺炎が経済に打撃を与える中、ソウルの南大門市場を訪問した文在寅大統領(左)=2月12日(韓国大統領府提供・共同)

 韓国で4月15日の総選挙を前に、政権与党「共に民主党(民主党)」が言論を抑圧したとして騒動となった。文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判し、民主党以外への投票を呼びかけるコラムを書いた革新系の女性大学教授らを刑事告発したためだ。本来、政権の支持層であるはずの左派系の識者やメディア、団体が与党のやり方に猛反発し、民主党は告発を取り下げたものの、支持層の不満はくすぶり続けている。(ソウル 桜井紀雄)

国民よりチョ・グク氏

 政権寄りの左派系紙、京郷(キョンヒャン)新聞に「民主党だけ除いて」とのタイトルのコラムを書いた高麗(コリョ)大のイム・ミリ研究教授が2月13日に、民主党が公職選挙法違反罪で自身と同紙の責任者を刑事告発した事実をインターネット上で明らかにしたことから波紋が広がった。