宮家邦彦のWorld Watch

ケンタッキーに根付く日本企業

2019年5月の訪日時、米大使公邸で開かれた日本企業の経営者らとの会合であいさつするトランプ米大統領=東京都港区
2019年5月の訪日時、米大使公邸で開かれた日本企業の経営者らとの会合であいさつするトランプ米大統領=東京都港区

 この原稿は米シカゴ空港で書いている。全米日米協会連合から日米同盟に関し講演を依頼され、ケンタッキー州へ出張したのだ。米国でも新型ウイルス感染が拡大し、一時は真剣に延期も考えたが、結果的には成果の多い旅となった。

 実はケンタッキー訪問は今回が初。何とワシントンから来た米国人講演者も同じだという。日本でケンタッキーといえばフライドチキンだが、当地州民の誇りは、競走馬とバーボンと全米最大の日本自動車工場なのだそうだ。

 まずは競走馬。ケンタッキーダービーは有名だが、同州レキシントンが世界の競走馬の「首都」だとは知らなかった。郊外には競走馬を飼育する広大な牧場が果てしなく続く。欧州の王族やアラブの首長も自慢の馬を育成・治療しているそうだ。秘密は当地のライムストーン。鉄分を吸収しカルシウムの豊富な石灰土壌が生む牧草がサラブレッドを育てる。馬の育成は開拓以来の伝統産業なのだ。