解読

露の改憲、終身大統領に道 プーチン氏「権力保持のクーデター」 遠藤良介

 ロシアでプーチン大統領(67)の任期制限を撤廃する改憲法案が議会を通過した。プーチン氏が大統領任期の切れる2024年5月以降も、事実上の終身大統領として居座る可能性が出てきた。さまざまな臆測を呼んできたプーチン氏の改憲は、権力保持に向けた「上からのクーデター」だった。

                  

 2000年に大統領に就いたプーチン氏は、政敵の徹底排除によって「垂直の権力」と呼ばれる強権体制を構築した。石油・天然ガス分野をはじめとする基幹産業も側近グループが牛耳っている。利権の差配を含む強大な権限がプーチン氏の手に集中し、同氏を中心にエリート層の派閥バランスが保たれている。