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与野党、競って“脱法組織”設立 4月総選挙へ仁義なき戦い

4月の総選挙で出馬予定のソウル市鍾路区で、消毒作業をする最大野党「未来統合党」の黄教安代表=12日(黄氏事務所提供・聯合=共同)
4月の総選挙で出馬予定のソウル市鍾路区で、消毒作業をする最大野党「未来統合党」の黄教安代表=12日(黄氏事務所提供・聯合=共同)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い表立った選挙運動が自粛される中、集票を狙った標的にされたのは選挙制度の「抜け穴」だった。4月15日の投開票まで1カ月を切った、韓国総選挙。少数政党への議席配分を増やす目的で昨年末に成立した改正選挙法に対応しようと、与党と最大野党はそれぞれ、弟分にあたるミニ政党を立ち上げた。改正法の趣旨に反した“脱法組織”設立に対する批判には耳をふさぎ、両者は仁義なき選挙戦を繰り広げている。(外信部 時吉達也)

改正選挙法の「裏技」

 18日、文在寅政権を支える与党「共に民主党」にそっくりの名前の政党、「共に市民党」が発足することが発表された。最大野党「自由韓国党」の後継として2月に発足した「未来統合党」はすでに、兄弟政党「未来韓国党」を別に設立し、活動を始めている。両者の目的は、改正選挙法が想定していなかった「裏技」を使い、議席を増やすことにあった。

 韓国の国会議員選挙はこれまで、日本の衆院選と同様に小選挙区と比例代表を並立する制度が取られ、さらに日本に比べ小選挙区により多くの議席を配分してきた。当選者一人を除くすべての投票が死票となる小選挙区特有の問題を緩和するため、今回の選挙から導入された新たな制度のイメージは以下のようなものだ。

 議席が小選挙区と比例代表に100ずつ振り分けられているとする。A党が30選挙区で勝利し、比例で40%の得票があれば、これまでの選挙では計70議席を獲得していた。これに対し、改正後の制度ではまず比例の得票数からA党の総議席数を40に決定。選挙区で30人が議席を得ているため、比例は10議席しか配分されない。選挙区で勝利するのが困難な中小政党に、より多くの比例議席が割り当てられるのが特徴となる。

 しかし、もしA党が選挙区に候補を一人も出さなければ、40議席はそのまま手に入る。選挙区は別の名前で戦おう-という“悪知恵”を働かせたのが、冒頭の両党だ。

盧武鉉の念願

 そもそも、選挙法改正によって、二大政党は議席を減らすことが明らかだった。それでも与党が法改正を強行した背景には、現在も左派支持層がカリスマとしてあがめる故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の存在がある。

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