中国観察

「黒い白鳥」が舞い降りた中国経済を脅かす新たなリスク

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの流行が中国経済に衝撃を与えている。感染対策のため一時的に経済活動がほぼ完全にストップし、足元で発表されている主要統計は軒並み史上最低を更新。中国政府は経済的な影響について「短期的だ」という強気の姿勢を崩していないものの、新たなリスクが中国経済の先行きを脅かしていると指摘される。(中国総局 三塚聖平)

上海の金融街に設置された、株式相場を示す電光掲示板。中国経済の主要統計は軒並み史上最低を更新する=3月13日(ロイター)
上海の金融街に設置された、株式相場を示す電光掲示板。中国経済の主要統計は軒並み史上最低を更新する=3月13日(ロイター)

中国経済は停止状態に

 「『黒い白鳥』への警戒だけでなく『灰色のサイ』も防がなければならない」

 中国の習近平国家主席は昨年1月、北京で開いた会議で全国の幹部にこのように強調していた。

 「灰色のサイ」とは、将来大きな問題となる可能性が高いのに軽視されがちな潜在リスクを示す。それに対して「黒い白鳥(ブラックスワン)」はリーマン・ショックのような事前に予測できない異常事態を指す。かつて白鳥は全てが白色だと考えられていたが、後にオーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで常識が覆されたことに由来する金融用語だ。

 習氏が発言した1年前は、過剰債務などの構造問題である「灰色のサイ」に注意を促す発言だと受け止められていたが、実際に現れたのは「黒い白鳥」だった。1年前には習氏自身もまったく予測できなかったであろう新型コロナという「黒い白鳥」が中国経済を襲っている。

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