矢板明夫の中国点描

マスク1000万枚に見る中台「防疫外交」合戦

蔡英文総統=台北市(共同)
蔡英文総統=台北市(共同)

 「防疫外交」。台湾の政治関係者が最近、よく口にする言葉だ。

 4月1日、蔡英文総統は記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な米国や欧州各国などに対し、マスク1千万枚を含む医療物資の提供を表明した。人道支援との名目だが、その言葉の端々に中国への対抗意識がにじみ出ていた。蔡氏が「台湾の責任を果たす」と語ったとき、特に語気を強めたのが「国際社会の一員として」との部分だった。「台湾は中国の一部」という中国の主張を力強く否定した形だ。

 台湾各地の工場は現在、フル回転でマスクを生産しているが、その量はまだ十分ではないというのが実態だ。台北市民がマスクを購入するときは、いまだに実名制で、2週間で9枚以内と制限されている。「私たちはまだ人助けできる段階ではない」と野党・中国国民党の幹部はメディアで蔡氏を批判している。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください