韓国総選挙に脱北者党 北を置き去りの文政権に危機感

韓国ソウル市内の街頭で有権者らにあいさつする「南北統一党」の韓美玉候補(左)=8日、桜井紀雄撮影
韓国ソウル市内の街頭で有権者らにあいさつする「南北統一党」の韓美玉候補(左)=8日、桜井紀雄撮影

 15日に投開票が迫った韓国総選挙で、韓国に住む脱北者らが政党を立ち上げ、手探りの選挙戦に挑んでいる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対北朝鮮融和路線への危機感が結党を後押しした。文政権の約3年間の対北政策も選挙の審判の対象となるはずが、新型コロナウイルスや経済対策に世論の関心が集中し、国の根幹に関わる対北・安全保障問題は置き去りにされている。(ソウル 桜井紀雄、写真も)

 「私みたいな平凡な女性でも立候補し、正々堂々と主張できる。北朝鮮では考えすらできなかった」

 脱北者らが3月に結成した「南北統一党」から比例代表で出馬した韓美玉(ハン・ミオク)候補(48)は、結党の意義についてこう語った。

 北朝鮮では農場で働き、中国に脱北したが、拘束後に送還。暴力や餓死が日常化した過酷な収容所生活も経験した。「人間がモノとして扱われる現実」を体験しただけに、北朝鮮住民の人権保護も網羅した法律の整備の必要性を訴える。