【ソウル=桜井紀雄】韓国では新型コロナウイルス感染者の感染経路が不明の割合が2・8%にとどまっている。各国が感染経路の把握に苦慮する中、97・2%という解明率の高さを可能にしたのは、検査の大量実施とともに、IT技術を駆使した感染者の移動経路の徹底追跡があった。ただ、一定の感染封じ込めに成功したものの、IT技術の活用とプライバシーの保護に絡む新たな課題も浮かぶ。
■けたたましい警報音
「〇番目の感染者が発生。詳しい内容は区ホームページ(HP)で確認」
首都ソウルでは、市民のスマートフォンにけたたましい警報音とともにこんなメッセージが送信される。警報音がひっきりなしに続く日もあった。