エリザベス女王94歳に 緊急時にも柔軟対応で「開かれた王室」の進化に貢献

新型コロナウイルスと戦う国民らに向けて、テレビで演説し、団結を呼びかけた英国のエリザベス女王(ロイター)
新型コロナウイルスと戦う国民らに向けて、テレビで演説し、団結を呼びかけた英国のエリザベス女王(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】英国のエリザベス女王は21日、94歳の誕生日を迎えた。英国君主として史上最高年齢となり、在位期間の最長記録も更新した。女王は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、在位68年で5度目となる異例のテレビ演説で団結を呼びかけるなど国民に向け精力的に発信。緊急時にも柔軟な対応で国民に寄り添い、「開かれた王室」を進化させ続けている。

異例の誕生日

 女王は21日の94歳の誕生日に、恒例の祝砲を中止するよう求めた。祝砲の中止は、女王が1952年に即位してから初めて。新型コロナの感染拡大で国民が自主隔離を余儀なくされる中、女王は従来通り祝うのは「適切ではない」と感じたという。英国の王室ジャーナリストは「女王は常に国民の生活や心情を考え、前例のない対応でも躊躇(ちゅうちょ)なく即座に実行する」と評価する。