久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

「コロナ危機は新たな機会」韓国が対北支援を続々 米国無視の暴走か?

2018年4月、共同宣言に署名後に抱き合う韓国の文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=板門店の韓国側施設「平和の家」(韓国共同写真記者団撮影)
2018年4月、共同宣言に署名後に抱き合う韓国の文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=板門店の韓国側施設「平和の家」(韓国共同写真記者団撮影)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の健康問題が世界の耳目を集めるなか、韓国は対北支援にご執心だ。任期終盤に向け、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が続々と南北融和策を発表している。新型コロナウイルスの防疫協力、南北鉄道連結、北朝鮮観光…と、いずれも巨額の資金投入が見込まれる計画ぞろい。過去には対北支援を何度も米国にいさめられた文大統領だが、今回は「朝鮮半島の運命の主人公はわれわれだ」と勇ましい。ただ、肝心の北朝鮮は無反応だ。

「南北は生命共同体だ」

 「新型コロナ危機が南北協力の新たな機会だ。最も緊急で切実な課題である」文大統領は4月27日、力を込めて語った。この日は南北首脳会談で「板門店(パンムンジョム)宣言」が出されてから2周年にあたり、文大統領は政府高官を前に任期後半の対北政策を列挙した。

 特に熱が入ったのは「南北は生命共同体だ」との持論だ。▽新型コロナの防疫協力▽南北鉄道の連結▽非武装地帯の「国際平和地帯」化▽離散家族の再会や「失郷民」(分断以前や朝鮮戦争時などに北朝鮮から越南した人々)の相互訪問-を「4大事業」と位置づけた。コロナ防疫については「北朝鮮が受け入れれば直ちに実施する準備ができている」とまで呼びかけた。北は沈黙し、いまのところナシのつぶてである。

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