コロナ 揺れる世界秩序

中国、支援で誘いWHO掌握 米が関心ない国際機関狙う

 中国が国際機関の要職に静かに浸潤していた。この現実を認識させてくれたのが、新型コロナウイルスをめぐる世界保健機関(WHO)の動きだった。

防疫対応を礼賛

 WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するかが注目されていた1月28日。北京に飛んだテドロスWHO事務局長は習近平国家主席と会談し、こう語った。

 「中国のように迅速で大規模な行動は世界的にもなかなかみられない。中国の効率性とそのシステムの強みを示した」

 WHOは23日の緊急委員会で緊急事態宣言を「時期尚早」と見送っていた。30日にようやく宣言を出したが、渡航制限を勧告することはなかった。「パンデミック」(世界的大流行)との認識を表明したのは3月11日だった。

 WHOは1月時点で「人から人への感染」の可能性を軽視し、「渡航禁止は必要ない」と主張していた。テドロス氏は、中国がウイルス発生源の湖北省武漢市を封鎖するなどした対応を礼賛し続けた。

 米国のオブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は3月11日の講演で、中国がウイルス確認当初に「隠蔽(いんぺい)活動」を行い、「世界各国の対応が2カ月遅れた」と非難した。米国などは、WHOが中国に加担し、世界への感染拡大を許したとの見方を強める。

 テドロス氏の出身国エチオピアは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のモデル国家とされ、鉄道や電力供給などで中国から巨額のインフラ投資を受ける。中国は2017年のWHO事務局長選で、「中国との協力」の重要性を訴えていたテドロス氏を担いだ。

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