コロナ 知は語る

「生命を守る産業」が主役に 専制国家・中国の超大国化は決してない―仏経済学者・ジャック・アタリ氏

パリの事務所でインタビューに応じるジャック・アタリ氏(共同)
パリの事務所でインタビューに応じるジャック・アタリ氏(共同)

 疫病の流行は世界史の転機となってきた。フランスの経済学者で思想家のジャック・アタリ氏はその歴史をひもとき、新型コロナウイルス禍を機に、他者への共感を重視し、「生命を守る産業」を中心とした経済・社会への転換を唱える。

危機始まったばかり

 --新型コロナ危機による経済、社会への影響とは

 「危機は非常に深刻だ。始まったばかりだと言っていい。感染による直接の被害がそれほど大きくなかった国も世界的な不況に巻き込まれ影響を受けることになる。過去1世紀で最悪の事態になるかもしれない」

 「こんな状況の中、人々の間で『社会を別の形に変えねばならない』という意識が芽生えている。そのためには現在の経済の方向を変えて『生命を守る産業』に集中する必要がある。『生命を守る産業』とはすなわち、衛生や食糧、エネルギー、教育、医療研究、水資源、デジタルや安全保障、民主主義にかかわる生産部門のことだ。だれかを守り、他者への共感を重んじる利他的な産業へとシフトせねばならない」

 --疫病は世界をどう変えてきたのか

 「疫病は社会のシステムを変える力を持つ。欧州大陸では疫病が猛威をふるう度、社会に根付いていた信仰や支配のシステムが信用を失い、失墜した。古い支配者に代わって新たな権威が正当性を獲得した」

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