蔡英文総統の中台関係方針は「現状維持」、対米強化に中国は手詰まり 松田康博・東京大教授 

松田康博氏
松田康博氏

 台湾の蔡英文総統の就任演説は、蔡氏らしい冷静で実務的な内容だった。今後の台湾の内政に主たる関心があり、海外が注目した対中関係では、中国を挑発しない「現状維持」を掲げた。世界保健機関(WHO)の総会から排除された直後であり、中国やWHOに向け強硬な発言をしても良かったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止での市民と医療関係者の努力をたたえるだけに抑えた。

 蔡氏の直近の支持率は高く、信任を得た状態で2期目が始まっている。WHOの独立調査にはロシアも賛成し、台湾の参加問題は今後の課題となった。中国にとり不利な状況であり、現時点での批判は余計な反応を招きかねない。対中批判は米国にまかせ、いったん矛を収めた方がよいと合理的に判断したのだろう。

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