古森義久のあめりかノート

発生源問わぬ日本の異様さ

新型コロナウイルスの発生源として中国の対応に厳しい姿勢をとるトランプ米大統領=5月22日、ホワイトハウス(AP)
新型コロナウイルスの発生源として中国の対応に厳しい姿勢をとるトランプ米大統領=5月22日、ホワイトハウス(AP)

 この3カ月ほどワシントンと東京の両方で中国発の新型コロナウイルスの大襲来を目前にみてきた。ともに悲惨な傷を負った日米両国が官民でまず感染者を救い、拡大を防ぐことに最大努力を注ぐ動きではまったく共通していたが、その他の反応での黒と白ほどの対照的な違いにショックを受けた。

 その相違とはウイルス発生源の中国の責任に対する姿勢である。

 米国では中国非難は感染の当初から明確だった。武漢での新たなウイルス感染症の猛威を隠し、警告を発した現場の医師らを懲罰し、虚偽の情報まで流した習近平政権の対応こそ、この邪悪なウイルスを全世界に広げた主因だとする非難である。その基礎には共産党政権の独裁のゆがみがそんな異様な対処を生んだとする認識がある。