次のターゲットは台湾… 香港国家安全法、中国の軍事行動に警戒

台湾の台北市で行われた就任式を終えて手を振る蔡英文総統(左)=5月20日(AP)
台湾の台北市で行われた就任式を終えて手を振る蔡英文総統(左)=5月20日(AP)

 【台北=矢板明夫】中国の全国人民代表大会(全人代)が「香港版国家安全法」の制定を推進していることは、台湾社会に大きな衝撃を与えている。「(香港の)集会と言論の自由に影響を与える恐れがある」(当局高官)と憂慮する声が高まっており、蔡英文総統は28日までに、香港で民主化要求デモに参加した人々への人道支援を行う方針を明らかにした。呉●(=刊の干を金に)燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は、中国政府の次の標的が台湾となる可能性を指摘し、台湾への軍事行動に警戒感を示した。

 「香港版国家安全法」のニュースは開会中の台湾の立法院(国会)でも注目され、与野党の立法委員(国会議員)や行政院(内閣)の高官は「香港の自由が制限される」ことに相次いで懸念を表明した。