久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

欧州で北スパイと連携 尹美香氏を取り巻く「従北人脈」

韓国の「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の尹美香代表(共同)
韓国の「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の尹美香代表(共同)

 韓国の元慰安婦、李容洙(イ・ヨンス)さんと、慰安婦支援団体前代表、尹美香(ユン・ミヒャン)氏の対立に端を発した「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の不正会計疑惑は、韓国の慰安婦運動の“大義”をも揺るがしかねない大スキャンダルになった。なかでも注目なのは、尹氏の親族や正義連の幹部らに、国内や欧州での北朝鮮スパイ事件にからむ人物がいることが次々と明るみに出ている点だ。「一体、尹氏は慰安婦運動の金で何をやっていたのか」との疑惑が膨らんでいる。

パリでフランス人の北スパイと連携

 尹美香氏は2013年からパリで「水曜集会」を開いてきた。水曜集会は、正義連の前身である旧「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が、慰安婦問題で日本政府を追及するために1992年からソウル日本大使館前で開いてきたもので、この欧州版がパリでの集会である。

 韓国の「月刊朝鮮」によると、パリ集会に初回から毎年参加していたのが、仏元高級公務員のブノワ・ケネディ氏だ。ケネディ氏はフランスで最難関のエリート養成校、国立行政学院(ENA)出身。仏上院事務局に奉職する公務員だったが、2018年11月、仏情報機関の国内治安総局(DGSI)によって北朝鮮に核関連情報を流したスパイ容疑で逮捕された。