石平のChina Watch

ご破算にされた台湾政策

全人代で壇上に並ぶ中国の習近平国家主席(左)と李克強首相 =5月25日、北京(AP)
全人代で壇上に並ぶ中国の習近平国家主席(左)と李克強首相 =5月25日、北京(AP)

 中国の習近平国家主席が自前の台湾政策を本格的に打ち出したのは2019年1月2日のことである。その日、「台湾同胞に告ぐ書」発表40年を記念して「重要講話」を行った。その中で習主席は「一国二制度」による台湾統一の構想を発表した。

 それに対し、台湾の蔡英文総統は当日のうちに談話を発表し「受け入れない」と拒否した。「一国二制度」はもともと、トウ小平時代の中国が英国の植民地だった香港の返還を実現させるために考案した方策であるが、今の台湾はどこかの国の植民地ではないから、それを受け入れるはずもない。習主席の「一国二制度による台湾統一構想」は最初から無理筋であった。

 その後、「一国二制度」の信用性を根底からひっくり返す事態が当の香港で起きた。香港政府が習政権の意向を受けて「逃亡犯条例」改正案を提出したところ、香港市民は返還以来最大規模の抗議運動を起こし、それに対する香港警察の超法規的な鎮圧が行われた。後に「逃亡犯条例」は撤回されたが、返還後の香港の法治はすでに崩壊し「一国二制度」が、ただの方便であることが暴露されることになった。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください