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コロナ禍のニューヨークを襲った積年の闇「コーラまで盗むのか…」

5月31日、米ニューヨーク・ハーレム区で行われた人種差別に抗議するデモ。昼間は平和的な抗議活動が行われるが、夜間は略奪行為が相次いでいる(上塚真由撮影)
5月31日、米ニューヨーク・ハーレム区で行われた人種差別に抗議するデモ。昼間は平和的な抗議活動が行われるが、夜間は略奪行為が相次いでいる(上塚真由撮影)

 新型コロナウイルスで大きな被害が出た米国は、中西部ミネソタ州で黒人男性、ジョージ・フロイドさん(46)が死亡した事件をきっかけに、人種差別への抗議活動が拡大、一部が暴徒化し「カオス」(米メディア)となっている。東部ニューヨーク市でも1日、他の都市に追随して夜間外出禁止令が出されたが、店舗の破壊や略奪行為が後を絶たない。米国の社会不安はかつてないほど高まっている。(ニューヨーク支局 上塚真由)

個人商店から高級ブランドまで

 6月1日午後10時。ニューヨーク市全域で外出禁止令が出される1時間前、配車サービス「ウーバー」を利用し、市内の様子を見て回った。

 被害が特にひどかったのは、マンハッタン南部のダウンタウン地区だ。携帯ショップや、靴を中心としたスポーツ用品店「フット・ロッカー」、ドーナツ店「ダンキン・ドーナツ」などの店舗が軒並み破壊され、地面はガラスの破片で覆われていた。

 フット・ロッカーの店舗前を数十人の警官が取り囲んでいた。車窓から人だかりの中をのぞくと、ちょうど、黒いフードをかぶった若者2人が取り押さえられる瞬間だった。