一国二制度の死 香港大規模デモから1年

(2)街頭で米国で…民主化訴え

 【香港=藤本欣也】2019年秋、香港の反政府・反中国共産党デモは激化する一方だった。

 前線で警官隊と激しく衝突する“勇武(武闘)派”と呼ばれるグループに、韋駄天(いだてん)がいた。突撃も、逃げ足も、誰よりも速かった。

 東京五輪を目指す18歳の高校生、李信栄(り・しんえい=仮名)だ。香港の代表チームに入り、100メートルを10秒台で走るためトレーニングを積んでいた。リレー競技で憧れのオリンピックに出るという夢と、警察の暴力への抵抗は矛盾することなく李の中で共存していた。