宮家邦彦のWorld Watch

アメリカの「戦い方」改革

米国の軍事戦略に関心ある全ての人にお薦めしたい好著「キルチェーン」が発刊された。写真はトランプ米大統領=6月8日、ホワイトハウス(ロイター)
米国の軍事戦略に関心ある全ての人にお薦めしたい好著「キルチェーン」が発刊された。写真はトランプ米大統領=6月8日、ホワイトハウス(ロイター)

 新型コロナ騒ぎの真っ最中に米国でものすごい本が静かに出版された。米国の軍事戦略に関心ある全ての人にお薦めしたい好著、在宅勤務のおかげで先週一気に読んだ。「キルチェーン」と題する本書の著者は、一昨年亡くなったジョン・マケイン上院議員の補佐官。数年前訪日した同議員と筆者との昼食会をアレンジしてくれた、若いが新進気鋭の戦略家だ。内容は多岐にわたるが、米国のある読者はこう要約した。

 ●米軍は高価で精巧だが人手が掛かり代替不能な大型兵器システムに依存してきた。

 ●対する中国は米軍の大型兵器を発見破壊する多数の廉価な小型兵器を配備している。

 ●今こそ米軍は方針変更し廉価で柔軟性ある小型自動兵器を大量に導入すべきだ。

 ●これを怠れば米軍の軍事的優位は風化する。必要なのは新兵器ではなく、新思考だ。

 この要約に異論はない。だが、本書は単なるハイテク兵器礼賛本ではない。筆者が最も注目したのは第10章の「優勢なき防衛」だった。ここにはわれわれ日本人がうすうす感じてはいても現実問題として考えたくない内容が率直に記されている。今回は紙面の許す限りその内容をご紹介したい。

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