米抗議デモ、フランスに波及 焦点となった4年前の事件

パリの裁判所前で、催涙ガスから逃げるデモ参加者=2日(ロイター)
パリの裁判所前で、催涙ガスから逃げるデモ参加者=2日(ロイター)

 【パリ=三井美奈】米国の白人警官による黒人暴行死事件を機に、フランスでも人種差別への抗議デモが広がっている。4年前にパリ郊外で警察に拘束された黒人青年が死亡した事件に再び焦点が当たったため。仏政府は過去に繰り返された人種問題の再燃を警戒し、沈静化に懸命となっている。

 フランスのデモは1日、パリの米大使館前で100人前後がひざまずき、米国で死亡した黒人男性への連帯の意味を込めて「息ができない」と書いた紙を掲げて抗議したのが始まり。2日には、4年前の仏での事件で青年の死因をめぐる報告書が出たのを受け、パリの裁判所前で約2万人が警察への抗議集会を開いた。青年の姉が「米国で起きていることと、フランスでの事件はつながっている」と主張。デモ隊が投石し、警察が催涙弾を発射する事態になった。

 4年前の事件では、アフリカ・マリ系の移民2世の当時24歳の青年が警察に身分証明書の提示を求められて逃走。地面に押し付けられて拘束され、連行中に意識を失い、死亡が確認された。司法当局は、青年の死因は心不全で胸部圧迫によるものではないと判断し、警察の責任は不問にされた。遺族は「不当な判断」と抗議してきた。

 人種差別や警察に抗議するデモは北部リールや南部マルセイユでも断続的に続いており、パリでは今週末、再び実施が呼びかけられている。

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