久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

“女帝”金与正氏に叱られ平身低頭の文政権 ビラ散布取り締まりに「軍動員」論まで

共同宣言に署名する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。左は金与正党第1副部長=2018年4月27日、板門店の韓国側施設「平和の家」(韓国共同写真記者団撮影)
共同宣言に署名する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。左は金与正党第1副部長=2018年4月27日、板門店の韓国側施設「平和の家」(韓国共同写真記者団撮影)

 北朝鮮が、韓国との連絡チャンネルを遮断した。南北関係を牛耳る金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長は、北朝鮮の体制を批判するビラを飛ばす脱北者たちを「クズ」「駄犬」「汚物」と口をきわめて罵るだけでなく、“女帝”さながらに脱北者の始末を韓国に命じた。遮断はこれに続く措置だったが、動揺した文在寅(ムン・ジェイン)政権は司法、立法を使って脱北者の処罰に出ようとしている。ビラ散布の脱北者取り締まりに「軍を動員すべし」との意見まで出て、韓国世論を唖然とさせている。

「汚物を掃除するのが当然だろう」

 韓国統一部(省)は10日、北朝鮮に批判ビラを飛ばしてきた脱北者団体「自由北韓運動連合」(朴相学=パク・サンハク=代表)など2団体を南北交流協力法違反で告発し、法人許可を取り消すと発表した。

 これに対して朴氏は、「統一部は逆賊部だ」と反発。北朝鮮が南侵した朝鮮戦争の勃発から70年に当たる今月25日に100万枚のビラを飛ばし、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の「頭上にさらに多くのビラを散布する」と意気軒高だ。

 金与正氏が談話で、対北ビラを《低俗で汚らわしい敵対行為》と非難し、文政権に《自分の家の汚物をきちんと捨てて掃除するのが当然だろう》と迫ったのは、約1週間前の6月4日だった。《…クズらの猿芝居を阻止する法でもつくり、最初からかんばしくないことが起こらないように準備をしっかり整えるべきであろう》との“アドバイス”まで授ける念の入れようだった。

 これを受けて文大統領の与党「共に民主党」は、「すみやかに対北散布禁止の立法を仕上げる」(金太年・院内代表)として、「対北ビラ散布禁止法」(仮称)の準備に入った。脱北者団体を刑事告発するとの発表は、こうした流れの中で行われたのだ。

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