台湾日本人物語 統治時代の真実

(7)日台・台高生「最後の宴」

終戦後、引き揚げ前の七星寮で「最後の宴」=昭和21年3月、(伊藤は左から2番目、黄はその右、伊藤圭典氏提供)
終戦後、引き揚げ前の七星寮で「最後の宴」=昭和21年3月、(伊藤は左から2番目、黄はその右、伊藤圭典氏提供)

 1枚の写真が残されている。終戦後の昭和21年3月、日本人の引き揚げを前にして、元台北高校(旧制)七星(しちせい)寮の一室に日・台の同窓生らが集(つど)った「最後の宴(うたげ)」の記念写真だ。

 セルフタイマーで写真を撮ったのは台北高・四高(金沢)から京都大工学部へ進み、日本寮歌振興会事務局長を務めた伊藤圭典(けいすけ)(91)。写っている4人は同室の寮生らである。

 後ろの壁には《民国35年(1946年)3月5日 別離ノ宴》《嗚呼(ああ) 我(わ)が懐(なつか)しき友よ》。そして、台湾人同窓生が書いた《伊藤君イザサラバ!!》の文字が見える。「引き揚げ前に『いよいよお別れだ』と皆で記念に撮ったのです。野菜を切って入れているのは風呂場の脱衣かご、鉄兜(かぶと)が、かまど代わり。酒は寮にあった老酒(ラオチュウ)の四合瓶(びん)。皆で一緒に寮歌を歌いました」

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