宮家邦彦のWorld Watch

「バイデン大統領」実現したら…

 11月の米大統領選について聞かれたら、「鬼が笑いますよ」と答えている。これが1976年以来44年間の経験則。無党派層有権者の多くは夏休みが終わる9月第1月曜のレーバーデーまで態度を決めないからだ。

 普通なら今頃は有象無象の日本人「米大統領選専門家」が大挙して訪米、激戦州での選挙戦や党大会の密着取材記事が日本で氾濫し始める時期だが、今年ばかりは新型コロナ騒ぎで勝手が違う。さぞお困りだろうと同情はするが、たかだか数日間現地を見たところで結局は「枝」ばかり、決して「森」は見えない。これも過去44年間の筆者の経験則。されど、「分かりません」ではしゃれにもならない。今回はあえて現時点での筆者の独断と偏見を書こう。

 先週末、コロナ騒動の最中にトランプ選対が強行したオクラホマ州での大規模集会は空席の目立つ予想外の大失敗に終わった。当て外れの原因は一部の10代若者がSNSを通じ大量の偽予約を入れたためとも報じられた。「ネットで笑う者はネットに泣く」ということか。だが、これは一過性ではないかもしれない。最近、民主党バイデン候補に対するトランプ候補の支持率が伸び悩んでいる。しかも、親トランプ系とされるメディアや調査会社でも同様の結果が出ているのだ。されば、ここでは残りの紙面を使い、バイデン大統領が誕生したら何が変わるかにつき、論点整理しておく価値はありそうだ。まずは大原則から始めよう。