久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

平壌で新型コロナ禍、食料逼迫 韓国挑発は不満そらしか

6月7日、朝鮮労働党の政治局会議に出席した金正恩氏(朝鮮中央通信=朝鮮通信)。にこやかな笑顔とは裏腹に、北朝鮮国内では食糧事情が逼迫しているとも伝えられる。
6月7日、朝鮮労働党の政治局会議に出席した金正恩氏(朝鮮中央通信=朝鮮通信)。にこやかな笑顔とは裏腹に、北朝鮮国内では食糧事情が逼迫しているとも伝えられる。

 北朝鮮の首都平壌で新型コロナウイルスの感染が広がっているという。平壌の党幹部など特権階級への食糧配給が数カ月前から止まったとも伝えられた。北朝鮮経済は対外貿易の約9割を中国に頼っているが、新型コロナ対策で中朝国境を全面遮断し、今年1月~4月の対中貿易はほぼゼロだった。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が6月7日の党政治局会議で、「人民の生命と安全を保護する国家的対策」として「平壌市民の生活保障」に言及したのも、新型コロナと食糧不足のためだったことがはっきりしてきた。

食糧不足で買い占めも

 食糧事情の逼迫に加え、平壌での新型コロナ感染拡大が、金正恩体制を根底から揺さぶっている。 

 「平壌では食糧配給が3月末で止まった」と報じたのは米政府系「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)。ほかにも米拠点の北朝鮮専門サイト、NKニュースが「平壌で食糧品の買い占めが起きている」「買い占めのため食糧品価格が急騰した」などと伝えている。いずれも平壌在住で国外とやり取りできる関係者による情報としている。

 北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者は今月9日、「国境封鎖で北朝鮮と中国の貿易は90%以上の減少した。国境周辺の多くの人は収入源を失い、ホームレスが増え、医薬品の値段が高騰している」と声明で懸念を示した。

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