中国、国際約束を反故 香港にも強権で共産党批判封じ

 30日、香港で記者会見する林鄭月娥行政長官(ロイター)
 30日、香港で記者会見する林鄭月娥行政長官(ロイター)

 【北京=西見由章】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)常務委員会が「香港国家安全維持法」を可決し、香港の治安維持は中国当局が主導権を握ることになった。1997年7月の香港返還から23年。旧宗主国の英国との国際公約で、2047年まで50年間、維持するとした「一国二制度」を事実上破棄したことで、中国の国際的な信用力が大幅に低下するのは避けられない。

 習近平指導部は12年11月の発足以降、政敵を標的とした反腐敗闘争や、新疆(しんきょう)ウイグル自治区での少数民族への弾圧、人権派弁護士らの一斉摘発といった統制強化によって集権化を進めてきた。香港市民の間では中国当局への警戒感が広がり、昨年には「逃亡犯条例」改正案をきっかけに反中デモが活発化した。

 香港の混乱が長期化すれば、習氏は愛国主義的な国内世論から「弱腰批判」を受けかねない。新型コロナウイルスの後遺症で国内経済が低迷し、中国本土に共産党批判が飛び火する恐れもあるため、一国二制度の香港にも強権手法を拡大して異論を封じる構えだ。

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