解読

米独立記念日 ほころぶ国家の紐帯 外信部長・渡辺浩生

分断と統合の振り子 コロナ後の世界左右

 4日は米国独立記念日。1776年のこの日、英国から独立を勝ち取った。欧州から自由を求めて上陸したピューリタン(清教徒)らが建国した米国、世界中の人々が成功を夢見た移民国家、人種問題という病根に悩む超大国…白人警察官による黒人男性暴行死事件を契機に広がる抗議デモは、国民を統合してきた国家アイデンティティーが何かを問いかけている。

 ◆誇りの「喪失」

 10年前の体験から始めたい。米国駐在中の2010年7月4日は隣人たちとバージニア州アーリントンの高台に出かけた。ポトマック川対岸のワシントンから上がる花火を見物した。

 ワシントン(初代大統領)、ジェファソン(3代)、リンカーン(16代)を記念した建造物、さらにはホワイトハウスを望む。

 丘陵沿いに、南北戦争の戦没者のために築かれ、兵士やケネディ元大統領らの墓碑があるアーリントン国立墓地がある。一帯は自由と民主主義の名の下に犠牲を払った米国の聖地だ。

 星条旗に飾られた芝の上に集う人々の群れは白人、黒人、ヒスパニック、アジア系…肌の色で違うグループが歓声を上げていた。

 「この人たちを一つに束ねるものは何だろうか」。その時に浮かんだ疑問を、今また考えている。

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