国際情勢分析

「米か中か」…EU、ASEANを戸惑わす新冷戦

 11月3日に大統領選を予定する米国で、共産党一党独裁政権の中国の挑戦を退けるため民主主義国の結束を求める機運が党派を超えて高まっている。米中の覇権争いは、政治体制の違いで敵と味方を峻別(しゅんべつ)し、世界を二分する「新冷戦」へと進むのか。(外信部 平田雄介)

6月22日、中国との首脳会談後、記者会見する欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(左)=AP
6月22日、中国との首脳会談後、記者会見する欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(左)=AP

「すべての投資に疑いの目を」

 ポンペオ米国務長官が6月19日、「自由か、専制か」と問いながら、欧州諸国に中国経済からの自立を促し、米国に味方するよう求めた外交演説は象徴的だった。「一国二制度」で保証された自由な香港社会への統制強化を進める中国を批判し、その脅威は欧州に広がり、中国がギリシャからスペインまで地中海沿岸の重要港の運営権を握ったと指摘。「中国国営企業の全ての投資に疑いの目を向けるべきだ」「金ぴかの目くらましを切り離さなければ」と訴えた。

 演説したのが、第二次大戦で荒廃した欧州の復興援助を唱えてソ連に対する「民主主義の防波堤」を築いた米国務長官のマーシャル(在任1947~49年)だったならば、欧州諸国も同調するだろう。しかし、北大西洋条約機構(NATO)を揺さぶり、欧州連合(EU)からの輸出車を「安全保障上の脅威」とみなすのが今の米国だ。

 3日後、EUのフォンデアライエン欧州委員長は中国との首脳会談で、中国に対し香港への「香港国家安全維持法」導入の再考を促したが、その一方で中国市場を重視し、米国とは一線を画した。同氏は「中国は最も挑戦的な国の一つであると同時に、最も戦略的に重要な国の一つ」と話す。

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