宮家邦彦のWorld Watch

自由民主主義の価値とは何か

返還記念日の7月1日、香港のゴールデンバウヒニア広場で行われた中国国旗と香港の旗の掲揚式。前日に香港国家安全維持法が施行され、一国二制度の形骸化が懸念される中での記念行事となった(AP)
返還記念日の7月1日、香港のゴールデンバウヒニア広場で行われた中国国旗と香港の旗の掲揚式。前日に香港国家安全維持法が施行され、一国二制度の形骸化が懸念される中での記念行事となった(AP)

 6月30日夜、中国北京で制定された国家安全維持法が即日、深夜の香港で施行された。翌日には特定活動家を狙い撃ちしたかのような情け容赦ない警察の取り締まりが現地映像で報じられた。筆者も状況の急変ぶりにはショックを受けた。昨年香港で大規模デモを実際に目撃したからだろうか、久しぶりに筆者の心は怒りで震えた。同法の制定は「一国二制度」の下で曲がりなりにも続いた香港自由民主主義の「終わりの始まり」を意味すると、一貫して述べてきた。ところが実際は「終わりの始まり」どころか、「一瞬で終わった」。さすがは中国だ。

 一方、東京ではいつのまにか都知事選が即日開票され、投票終了直後の当選確実という圧勝で現職再選が決まった。さらに、CNNは新型コロナ騒ぎの最中に独立記念日花火の映像を垂れ流している。民主主義とは一体何か。今回はこの問題をまじめに考える。