金正恩氏への賠償判決 拉致被害者に光、文氏の南北融和には陰

北朝鮮の朝鮮労働党政治局拡大会議に出席した金正恩党委員長=2日、平壌(朝鮮通信=共同)
北朝鮮の朝鮮労働党政治局拡大会議に出席した金正恩党委員長=2日、平壌(朝鮮通信=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の裁判所が7日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に賠償を命じた判決の余波が韓国内で広がっている。北朝鮮による拉致被害者家族ら泣き寝入りを余儀なくされてきた韓国人に訴訟の道を開いたからだ。北朝鮮による深刻な人権侵害にも関わらず対話を優先させてきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の南北融和策にも一石を投じる形となった。

 朝鮮戦争(1950~53年)で北朝鮮の捕虜となって強制労働させられ、その後に脱北した元韓国軍の2人が北朝鮮と金氏を相手に損害賠償を求めた訴訟だが、判決までにはさまざまな“壁”があった。

 まずは、北朝鮮が裁判に臨む見込みがないことだ。ソウル中央地裁は、訴状をホームページなどに一定期間掲示することで届けたとみなす「公示送達」手続きによって裁判を開始した。

 次に、国家は国際法上、外国の裁判権に服さないという「主権免除」の原則がある。原告側は「韓国の憲法上、北朝鮮は外国ではない」と主張。地裁は、北朝鮮を一種の団体、金氏をその代表と判断し、賠償責任を認定した。

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