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トランプ氏 vs 音楽界 楽曲無断使用、黒人死亡事件で対立…「トランプ派」ラッパーは出馬表明

 リベラル派が多い米セレブとは相性の悪いトランプ米大統領。11月の大統領選に向けて選挙運動を再開したのに伴い、集会で楽曲を使われたミュージシャンたちから一斉に反発を受けている。黒人男性の死亡事件でも強い非難を浴び、両者の分断は顕著に。一方、「トランプ派」のミュージシャンが大統領選への立候補を表明するなど、音楽界は混沌とした情勢になっている。(ワシントン 住井亨介)

楽曲無断使用に「訴訟も辞さず」

 問題となったのは、6月20日にトランプ氏が南部オクラホマ州で約3カ月ぶりに開いた大規模集会。選挙集会ではしばしば、会場を盛り上げるために過去の名曲などが流される。この時は英人気ロック・バンド「ローリング・ストーンズ」の「無情の世界」(邦題)という楽曲が使われた。

英人気バンドのローリング・ストーンズ(AP)。トランプ氏陣営による楽曲の無断使用を強く警告した
英人気バンドのローリング・ストーンズ(AP)。トランプ氏陣営による楽曲の無断使用を強く警告した

 ロイター通信によると、米著作権管理団体BMIはストーンズ側の要請を受け、「許諾されていない楽曲使用は契約違反になる」と、訴訟も辞さないとする異例の警告をしたという。

 また、同日の集会では、2017年に死去した米ロック歌手、トム・ペティさんの楽曲も使用された。ペティさんの家族はツイッターで「トム・ペティは憎悪の選挙運動のために自分の楽曲が使われるのを望んでいない」と強く反発。「われわれは米国を信じ、民主主義を信じている。だが、ドナルド・トランプはそれら崇高な理想を象徴していない」と批判し、トランプ陣営に使用停止を申し入れたことを明らかにした。

 トランプ陣営は、16年の前回大統領選でも楽曲の無断使用を繰り返した“前科”がある。米公共ラジオ(NPR、電子版)によると、同陣営に楽曲を使用しないよう求めているのはストーンズのほか、ロックバンドの「ガンズ・アンド・ローゼズ」(米国)や「クイーン」(英国)、「エアロスミス」(米国)のスティーブン・タイラーさん(72)、カナダ出身のシンガーソングライター、ニール・ヤングさん(74)らがいるという。

「あなたを落選させる」

 白人警官による黒人暴行死への抗議デモが全米で続く中、トランプ氏は一時、軍隊で押さえつけようとする姿勢を示した。ここでもミュージシャンからは厳しい言葉が向けられた。

 トランプ氏が「略奪が始まれば発砲が始まる」と訴えたことに反応したのは米人気歌手、テイラー・スウィフトさん(30)。

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