コロナ 知は語る

元外交官・小倉和夫氏 「人間の安全保障」考える時

日本財団パラリンピックサポートセンターの小倉和夫理事長(佐藤徳昭撮影)
日本財団パラリンピックサポートセンターの小倉和夫理事長(佐藤徳昭撮影)

リーダー不在の時代、アジアの復権カギ

 新型コロナウイルスへの対応は社会の根底にある考え方の違いを露呈させた。元外交官の小倉和夫氏は、世界が「夢なき時代」に突入していると指摘。そこから脱却するには、日本が提唱してきた「人間の安全保障」論と、アジアの復権を軸足とした「新しい思想」が必要だと訴える。

 ◆勢い失う米中

 --国際社会における思考の枠組みはどう変わるか

 「コロナ対応では、米国や英国などは相当問題があった。そうした自由な社会と中国やロシアのような統制的な社会との間にある日本、韓国、台湾、ドイツなどの連帯を重んじる社会は、同じ民主主義国でもある程度成功し、社会の根底にある考えの違いが出た。また、日本の政治はコロナ対応にみられたように、学者らの専門家を尊重するコンセンサスができやすいが、米国の場合、トランプ大統領は専門家の権威そのものを認めず、社会が分断しやすい。自由と統制をどの程度重視するか、政治権力と専門家などの権威の関係をどうするか、議論する必要がある」

 --米国の役割は

 「軍事力はあるし、相当落ちたが経済力もある。ただ、リーダーシップには思想も必要。米国は一つの思想、文化、夢であり、世界を引っ張ってきたが、今や格差で分断され、ハリウッドもスキャンダルの巣窟。『米国の夢』が壊れた中で、リーダーシップは発揮できない。自由民主主義も当たり前になって推進力を失った。『新しい思想』を打ち出さないとだめだ」

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください