米に広がる左派の異論排除 退職記者が「言論封殺」告発

コラムニスト兼オピニオン編集担当のバリ・ワイス氏が退職した米紙ニューヨーク・タイムズ本社(AP)
コラムニスト兼オピニオン編集担当のバリ・ワイス氏が退職した米紙ニューヨーク・タイムズ本社(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国で白人警官による黒人暴行死事件を受け、主に急進左派の立場から異論を徹底排除する「キャンセル・カルチャー」と呼ばれる社会風潮が急速に台頭している。左派的な論調の米紙ニューヨーク・タイムズでは、オピニオン編集部の中道派の著名な女性記者が14日、事件に関する自身の発言を理由に同僚から「人種差別主義者」と罵倒されるなどの迫害を受けたとして退職を発表した。また、こうした風潮を批判した米誌も逆に読者の抗議にさらされるなど、多くの有識者から「言論封殺につながる危険な傾向だ」として懸念が強まっている。

 同紙を退職したのは、コラムニスト兼オピニオン編集担当のバリ・ワイス氏。

 ワイス氏は、自身の上司にあたるオピニオン編集部長が先月、暴行死事件を受けた全米各地での暴動の鎮圧のため「米軍投入論」を唱えたコットン共和党上院議員の寄稿を配信した責任を問われて解任された際、ツイッターで同紙の社内事情について「社会的不公正や人種差別に敏感な、若手を中心とする社員と、40歳代以上のリベラル派の記者の間で『内戦』が起きている」と明らかにした。

 ワイス氏は「こうした内戦は、全米の新聞・雑誌の社内で起きている」とも強調。若手はベテラン社員らと同様に「リベラル」や「進歩派」を自称するが、実際には自身が傷つくことを恐れて異なる意見を拒絶する「セーフティーイズム」に陥っているに過ぎず、「感情的・心理的な安心を得る権利が『言論の自由』などのリベラル派の核心的な価値観よりも重視されている」と批判した。

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