久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

「韓国の英雄」よりセクハラ自殺市長に手厚い葬儀 文政権の身内びいきに支持率急落

「朝鮮半島の英雄」と呼ばれた白将軍=2013年8月、韓国・坡州(聯合=共同)
「朝鮮半島の英雄」と呼ばれた白将軍=2013年8月、韓国・坡州(聯合=共同)

 韓国ソウルの中心部にある光化門広場に今週、2つの焼香所が設置された。ひとつはセクハラ告訴の渦中に自殺した朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、もうひとつは朝鮮戦争の英雄、白善●(=火へんに華)(ペク・ソニョプ)将軍の焼香所だ。朴氏の焼香所はソウル市が設置したが、白将軍の焼香所は民間団体による設置だった。韓国政府は北朝鮮の侵攻から祖国を救った将軍に永別の焼香所さえ用意しなかったが、一方で朴氏の葬儀は史上初のソウル市葬にした。こうした政府の態度に批判が集中、大統領支持率は9カ月ぶりの低水準(44%)に急落した。

言い訳できなくなった与党

 朴氏は今月9日、家族に遺書のような言葉を残して外出、通報の7時間後に遺体で発見され、自筆の遺書も見つかった。朴氏は行方不明になる前日、元秘書からセクハラで告訴されていた。市民運動家出身の弁護士で、国内最初のセクハラ裁判の弁護を無償で引き受けたことで知られる“人権派”だった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と司法試験合格の同期で親しく、次期大統領候補の一人にも目されていた。

 文政権は朴氏の葬儀を、公務中の死でなかったにも関わらず、史上はじめてのソウル特別市葬(5日間)に指定した。葬儀委員長は朴氏が属する与党「共に民主党」代表の李海●(=王へんに賛の夫がそれぞれ先)(イ・へチャン)氏で、病院での葬儀(韓国では病院で葬儀を行う)には与党幹部らが続々と訪れた。市庁舎で告別式が行われ、光化門の焼香所だけでなく、オンライン焼香所も作成された。

 韓国では大統領府ホームページに国民が請願を出すことができ、賛同者が20万人を超えると大統領府が回答を行うことになっている。ここに出された「朴元淳氏の5日間のソウル市葬に反対します」との請願には17日までに58万人が賛同している。

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