ロシアを読む

旧ソ連2国が衝突 民族・宗教・石油…周辺国の思惑交錯

軍事衝突が起きたアゼルバイジャンとの国境地帯で、配置に付くアルメニア軍兵士=14日(AP)
軍事衝突が起きたアゼルバイジャンとの国境地帯で、配置に付くアルメニア軍兵士=14日(AP)

 南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャン(人口約1000万人)とアルメニア(同300万人)の国境地帯で死者を伴う軍事衝突が起き、国際社会に戦闘拡大への懸念が広がっている。両国はアゼルバイジャン西部「ナゴルノカラバフ自治州」の領有をめぐってソ連時代末期から対立。大規模な衝突は2016年以来となった。一見、単なる地域紛争のようにも見える両国の衝突だが、水面下ではロシアやトルコ、欧米といった大国の思惑がうごめいている。(モスクワ 小野田雄一)