日本人が誇るべき「公に奉ずる精神」 李登輝氏“幻の原稿”全文

 2007年5月、松尾芭蕉像の前で自作の俳句を披露する台湾の李登輝元総統=東京都江東区(AP=共同)
 2007年5月、松尾芭蕉像の前で自作の俳句を披露する台湾の李登輝元総統=東京都江東区(AP=共同)

 台湾元総統の李登輝には“幻の講演原稿”がある。「日本人の精神」。李氏が平成14(2002)年11月、慶応大学三田祭のために用意した。慶応での講演は外務省が訪日ビザ発給に難色を示して中止となったが、原稿は河崎真澄・台北支局長(当時)が本人から入手して同月19日付の産経新聞本紙に掲載された。日本人が誇るべき「公に奉ずる」精神。それこそ危機の時代を乗り切る「精神的指針」と訴えた。新型コロナウイルス禍を生きる今の世代への“遺言”ともいえよう。全文を紹介する。

     

危機時代を乗り切る指針

 経済新人会の森本代表、三田祭幹事会の皆様、ご来賓の皆様、こんにちは! ただ今ご紹介を受けました李登輝です。

 この度、三田祭開催を前にして、金美齢女史と経済新人会の森本代表、河野先生が十月十五日にわざわざ台湾にいらっしゃいました。そして私に三田祭、経済新人会主催の講演で「日本精神」について話してもらえないかと招聘(しょうへい)状をいただきました。私はこれは難しい題目だなあと知りながら、しかし、即座によいでしょうと返答しました。これにはいろんな理由があります。

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