潜入17年

(下)韓国に届けた捕虜の手紙、故郷に見捨てられ

北朝鮮に人道支援の食糧を届けた際のドンチョル・キム氏(左)ら(キム氏提供)
北朝鮮に人道支援の食糧を届けた際のドンチョル・キム氏(左)ら(キム氏提供)

 独裁国家、北朝鮮の経済特区である羅先(ラソン)市で、米国籍のドンチョル・キムが、滞りなく事業を進めようとすれば、最高指導者の金正日(キム・ジョンイル)の歓心を買う必要があった。長寿に執着する正日向けにドイツ製高級マッサージチェアなど健康・医療関連製品を送り続けた結果、北朝鮮で“錦の御旗”ともいえる「金正日表彰」を3度授与された。

 キムが羅先で経営するホテルは中国人ビジネスマンでにぎわい、年間100万ドル(約1億円)を超える売り上げをもたらした。

 そのうち4割近くは政権に上納したが、残る利益の多くを幼稚園や療養所建設、そうした施設への食糧・医療品支援に充てた。元牧師として住民を助けるために北朝鮮入りしながら、果たせなかった本来の目的を少しでも満たすためだ。

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