石平のChina Watch

「戦争ムード」あおる映画が続々…

7月に南シナ海で航行の自由作戦を実施した米空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」など(AP)
7月に南シナ海で航行の自由作戦を実施した米空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」など(AP)

 4月30日掲載の本欄は中国の「戦狼外交」を取り上げ、中国の外交官たちが最近、まさに「戦う狼」よろしく戦闘的な姿勢で外交をやっている異常事態をリポートした。「戦狼」という新造語は、数年前に中国で放映された戦争映画の題名から生まれたものだが、この映画監督だった呉京氏が今、新しい戦争映画の製作を始めようとしている。

 戦争映画の題名は『金剛川』、中国軍が実際に戦った朝鮮戦争を題材とするものだ。朝鮮戦争が勃発したのは1950年6月だが、この年の10月、中国軍は朝鮮半島に進軍して参戦し、以来約3年間、米軍を中心とした国連軍と戦った。中国ではそれを「抗米援朝」と言い、米国に対抗して北朝鮮を援助するための戦争であるという。