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国家首脳が「戦争開始」投稿懸念も… ツイッター乗っ取り事件で露呈した情報インフラのもろさ

ハッカーに乗っ取られたオバマ前米大統領のツイッターの画面。仮想通貨を振り込むよう求めている(AP)
ハッカーに乗っ取られたオバマ前米大統領のツイッターの画面。仮想通貨を振り込むよう求めている(AP)

 米短文投稿サイトのツイッターで起きた著名人アカウントの乗っ取り事件は、情報インフラとして浸透したIT技術のもろさを露呈した。捜査当局が金融詐欺などで少年ら3人を訴追し、ツイッターの従業員をあざむく「古典的な手口」(専門家)が浮かび上がった。国家の首脳や外交トップのアカウントが乗っ取られ、紛争激化や戦争を誘引する投稿が勝手に実行される国際安全保障上のリスクを懸念する声も出ている。

(ワシントン 塩原永久)

 米司法省などは7月31日、主犯格とみられるフロリダ州在住の少年、同州在住のニマ・ファゼリ容疑者(22)、英国在住のメーソン・シェパード容疑者(19)の若者3人を訴追したと発表した。

 オバマ前大統領やバイデン前副大統領、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏ら多数のアカウントを乗っ取った事件は、発生からわずか約2週間で捜査の「網の目」にかかった。大胆な犯行の一方、稚拙な手口でインターネット上に足跡を残したためだ。

 少年らは、乗っ取ったアカウントから、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を「1000ドル(約10万7000円)分を指定口座に振り込めば2倍にして返す」などと投稿。実際に10万ドル以上が振り込まれた。