せめぎ合う中東「2つの弧」 イラン脅威が促す構造変化

 中東で2つの「弧」がせめぎ合う。イスラム教シーア派のイランが勢力拡大を目指す「シーア派の弧」。スンニ派のアラブ諸国とイスラエルが手を結びつつある「反イランの弧」。イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化合意は後者の形成を印象付けた。この2つの弧が交わる“火薬庫”が、空前の大爆発が起きたレバノンである。民主化デモ「アラブの春」が始まって来年で10年。「対イラン」を軸に新たな構造変化の波が中東に訪れつつある。(外信部・大内清 中東支局長・佐藤貴生)

イスラエル・UAE結束で「包囲網」

 イスラエルとUAEが国交正常化で合意したことは13日、仲介したトランプ米政権が発表した。米国が構築を進める「イラン包囲網」の強化を念頭に置いたものとみて間違いない。

 イスラエルは、核武装を意図しているとしてイランを最大の脅威と位置付け、UAEは海上交通の要衝ホルムズ海峡をはさんでイランと向き合う。

 なぜ、米国やイスラエルはUAEを巻き込んで、イランに対抗するのか。

 預言者ムハンマドの後継指導者の系統をめぐりイスラム教はスンニ派とシーア派の2大宗派に分かれる。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください