特派員発

コロナ震源地・武漢 にぎわいの陰に…「半数近くの飲食店倒産」 当局に不信感「データは虚偽」

 新型コロナウイルス感染拡大の「震源地」となった中国湖北省武漢市では今、世界各地で続く混乱を尻目に日常への回帰が進む。ただ、感染者や遺族、社会全体に残した“後遺症”は深刻だ。中国当局の初動をめぐる責任の検証やウイルス発生源の追究も、あやふやなまま歴史の闇に葬り去られようとしている。

(武漢 西見由章)

 8月30日の日曜日、武漢市の屋外プール「瑪雅海灘水(ばがかいたんすい)公園」は家族連れでにぎわっていた。人工波が起きる巨大プールには笑顔と歓声が広がる。感染の不安はないのか。「みんなPCR検査を受けているから心配していない」。女性看護師(30)が言い切った。