久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

韓国はなぜ安倍首相を嫌い続けたか

2019年6月、G20大阪サミットで握手した後、すれ違う韓国の文在寅大統領(右)と安倍首相。冷え切った関係が続いた=大阪市(ロイター)
2019年6月、G20大阪サミットで握手した後、すれ違う韓国の文在寅大統領(右)と安倍首相。冷え切った関係が続いた=大阪市(ロイター)

 辞任を表明した安倍晋三首相は、国際社会で日本の存在感をかつてない地位に引き上げた。その一方で、任期中の7年8カ月で日韓関係は悪化し続けた。安倍政権は2012年、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が竹島(島根県隠岐の島町)に上陸した直後に誕生し、その後も慰安婦問題の蒸し返しや、いわゆる徴用工訴訟、韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射などの悪材料に次々と見舞われてきた。にもかかわらず、韓国側は「日韓関係を悪くしたのは安倍氏本人」だと主張し、韓国有力紙は安倍首相辞任に際して、「わが国には最悪の(日本の)首相だった」と書いた。韓国はなぜ安倍晋三首相を否定し、嫌ったのか。

「伊藤博文の次に嫌われている」

 「関係悪化の原因は安倍首相にある」との主張は、韓国ではきわめて一般的だといえる。韓国メディアがこぞって安倍政権批判を続けたことが大きい。韓国紙記者はこういう。

 「安倍さんは(明治の元勲で首相や韓国統監を歴任した)伊藤博文に次いで人気がない。特に昨夏の(韓国への)輸出規制(=輸出手続きの優遇対象国から韓国を除外するなどした措置を指す)はあまりにもひどい制裁だと印象が強かった。文在寅(ムン・ジェイン)政権で韓国経済が悪化したさなかで半導体に規制をかけた。韓国の国民感情が沸騰したんです」

 記者はしばらく考えてから、「伊藤博文より嫌われているかもしれない」とも言った。日韓併合前年の1909年に伊藤博文を暗殺した安重根は、韓国では「民族の英雄」とされる。安倍首相の嫌われぶりが表れているといえるだろう。

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