日本発ロシア点描

広島の平和式典を政治利用 露外相メッセージの違和感

「原爆の日」に開かれた平和記念式典。核保有国で唯一、ロシア外相からメッセージが寄せられた=8月6日、広島市中区
「原爆の日」に開かれた平和記念式典。核保有国で唯一、ロシア外相からメッセージが寄せられた=8月6日、広島市中区

 「原爆の日」の8月6日に広島市で開かれた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で各国首脳の招待が見送られるなか、ロシアは核保有国で唯一、外相がメッセージを寄せた。原爆投下の残忍さを糾弾する一方、旧ソ連が1945年に日ソ中立条約を破って対日参戦した事実の正当化とも取れる内容で、軍事面における対米牽制(けんせい)の言葉も繰り返し登場した。世界が注視する平和の式典を「対日」「対米」のプロパガンダ(政治宣伝)に利用したとの印象を強く与えている。(黒川信雄)

「極東進撃」を美化

 「米国は1945年8月6日広島に、その3日後には長崎に原爆を投下しました。罪のない人々の痛ましい死は、今なお世界中の人々の心を揺さぶり続けています」

 「私たちは力を合わせて、広島、長崎の恐怖、悲しみを決して繰り返すことがないよう、努めなければなりません」

 ロシア外務省や駐日ロシア大使館のホームページに掲載されたラブロフ外相のメッセージはこのように述べ、原爆による被害の悲惨さを強調している。

 一方で、メッセージの多くの部分はロシアの政治的主張が強く反映されたもになっている。例えば、第二次世界大戦をめぐる記述は日本へのけん制とも受け取れる内容だ。

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