中国観察

米との持久戦に備え 内需拡大図る習主席の「2つの循環」論

高層ビルが並ぶ上海の観光地。中国経済をめぐり「双循環」というキーワードが注目されている=6月(三塚聖平撮影)
高層ビルが並ぶ上海の観光地。中国経済をめぐり「双循環」というキーワードが注目されている=6月(三塚聖平撮影)

 中国で「双循環(そうじゅんかん)」という耳慣れない言葉が話題となっている。中国経済の新たな発展モデルを表しているというが、習近平国家主席の説明は「国内の大循環を主体とし、国内と国際の2つの循環が互いに促進し合う」といった具合に漠然としている。今のところ詳細な定義がないため国内外でさまざまな見方が出ており、米国との対立が深刻化する中で「海外に頼らずに中国経済を自立させる戦略」という受け止めも目立つ。「双循環」というキーワードを使い、習氏は中国経済の未来をどう描こうとしているのか。(北京 三塚聖平)

国内経済だけで自立を目指す?

 双循環という経済用語が使われるようになったのは今年5月とみられる。

 「国内と国際の双循環を相互に促進させる新たな発展モデルを構築する」

 5月14日に開かれた中国共産党中央政治局常務委員会で、このような構想が突如として打ち出されたのだった。その後、共産党の重要会議などで盛んに「双循環」という言葉が使われるようになり、注目を集めるようになっていった。ただ、詳細な概念説明が行われていないため、経済関係者の間では憶測も含めて多くの見方が飛び交った。

 香港経済日報(電子版)は8月上旬に、「中国経済を内部循環中心へと方向転換することは、国際情勢の突発的な変化に対する重大な戦略転換だ」と分析。ある北京の経済専門家は「米中対立の長期化をにらみ、国内経済だけで自立することを目指すものだ」と読み解いた。

 こういった見方の前提となるのは米中対立の深刻化だ。

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