久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

「菅政権」への“甘い期待” 死に体に向かう文政権の反日激化は不可避か

ソウルの韓国大統領府で会議を開く文在寅大統領=7月(聯合=共同)
ソウルの韓国大統領府で会議を開く文在寅大統領=7月(聯合=共同)

 韓国大統領府は、近く発足する日本の新政権と「懸案の交渉に努力する」という。韓国メディアは、自民党総裁選での勝利が確実視される菅義偉官房長官を「安倍アバター(分身)」と呼び、人生相談を愛読する「庶民宰相のイメージ」などと伝えている。韓国の日本専門家の間では、いわゆる徴用工問題などをめぐる両国の立場の決定的な違いから日韓関係は「膠着状態が続く」との冷めた見方が大半だが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は安倍晋三首相の退場による変化も期待しているようだ。しかし、終盤に向かう文政権が反日ポピュリズムを強めるのは必至の情勢で、日韓関係はむしろさらに悪化する可能性が高い。

「日本が譲歩すべきだ」

 「菅政権が安倍さんの政策を引き継ぐことは韓国も十分に分かっている。だが、韓国政府は日韓関係の悪化は日本のせいであり日本側にボールがあると考えている。だから、(韓国側の立場は)『日本が譲歩すべきだ』というものだ」。韓国の日本専門家は、こう語る。

 ここでいう「ボール」とは主に、2019年の対韓輸出管理の厳格化をめぐる問題を指している。安倍首相の辞任表明後の今月3日、韓国大統領府は徐薫(ソ・フン)国家安保室長主宰の国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、対日政策について「首相交代後、政局が落ち着き次第、懸案に関する交渉の進展で努力する」ことを確認した。

 その後、新任の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)外務第1次官が7日に冨田浩司駐韓大使と会い、具体的に輸出管理をめぐる日本の措置を早急に撤回するよう要請した。これは、韓国側が輸出管理問題は安倍首相自身が主導したと認識しているためのようだ。

 現在、韓国の対日世論と、日本の対韓世論はともに「両国関係を改善する必要はあまりない」と冷めきっている。先の専門家も「日韓ともに政治的に何か動かすことはかえって双方の政府に負担となる。関係修復へのインセンティブ(誘因)は低い」と述べる。日本側も同様で、「文政権での関係改善は困難。ポスト文政権にどういう政権が登場するかが重要だ」(政府筋)というのが本音だ。

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